巨峰の最後の収穫(2022年の栽培記録)

ぶどうの育て方

 夏になってからの巨峰の生長のサイクルは、7月~8月上旬が、実の大きくなる「果実肥大期」、8月上旬~9月下旬までが、実に色が付く「着色熟成期」、10月からが休眠期に向けての「養分蓄積期」に分かれます。

 よって、10月に入ると実っているぶどうの実が着色する可能性が低くなります。

 我が家の巨峰も、まだ、完全に紫色になっていない実がありますが、これ以上、育て続けても味が落ちるばかりで、ヘタすると腐ってしまう可能性もあるので、全ての房を収穫しました。

 1年間の感謝を込めて、大事に収穫しました♪

 最後の収穫は、7房で1,337gでした!

 庭の巨峰を全て収穫し終えると、「秋になったな~・・・」としみじみ思います。

 こんな季節の移ろいを果物の栽培で感じることができるのも、家庭菜園を続けているおかげですね(^^)

 さて、今日で巨峰の収穫が終わったので、1年間のぶどうの栽培記録を振り返ってみました。

 家でぶどうを育てることは、思った以上に難しくないので、家にスペース(3~4㎡以上、ベランダやカーポートでもOKです。)がある方は、是非、チャレンジしてみて欲しいです。

1.害虫に浸食された後の冬の栽培管理スタート

 昨年の春にぶどうの天敵であるブドウスカシバに木の内部まで侵食されていることが分かり、木の根元付近まで伐採しなければなりませんでした。

 根元から1m付近までの伐採だったので、ここから復活するのか?半信半疑なまま、育てていました。

 ところが、夏の間に、1ケ月に2回ほど、有機質肥料のボカシ肥料を与えていると、昨年の夏から冬にかけて木がグングンと伸びてきて、今年の1月には綺麗な整形した木の幹を作り始めました。

 この巨峰の木は、木を庭に植えてから7年目になりますが、昨年に根元まで伐採しているので、新しい苗木から育てていたら、ちょうど3年目にあたる感じです。

 本来であれば7年目のぶどうで、前年に実を付けたぶどうの木は、1月~3月の休眠期に前年に実を付けた枝の剪定を行いますが、今年の木は再スタートで、全ての枝が新梢になるので、冬の休眠期の剪定は行いませんでした。

2.4月の芽かき作業

 3月になるとぶどうの木は休眠期を終えて、花芽(かが)の生長が始まります。

 そして、4月になると我が家の巨峰にも花芽が、木の幹に出始めてきました。

 ぶどうの花芽は、混合芽といって1つの芽の中に花房と新梢の2つがいっしょに入っています。

 ぶどうの芽は冬の間、生長をせずに、春になって一気に生長していきます。

 花房の形や大きさや数は、春先の養分の多少によって決定されます。

 そして、ぶどうの芽は1つの芽からいくつかの芽が出るので、この芽を1つにしてあげることによって、大きく形の良いぶどうを実らせることができます。(栄養を分散させて、結局、生長の良くない花房がたくさんになってしまうのを防ぐことです。)

 そのために、芽から複数の芽が出たときに、1番成長のよい芽以外の副芽を取り除く作業が必要となり、これを「芽かき」と言います。

 特にぶどうの木を植え付けてから1~2年目は新梢の伸びが悪いことがあるので、芽かきを行って新梢の伸びを良くする必要があります。

 ただし、植え付け3年目以降になると、ある程度、樹勢が一定しているので、あわてて芽かきを行う必要がなくなってきます。

 だいたい、毎年、4月の暖かくなって芽が増えてきたときに、1つの梢から2つ以上の芽が生長したときに行います。

 芽かき作業は、きれいに洗った園芸バサミを使って、芽の根元から切り落とします。

 ぶどうの芽かき作業は、1度に行わずに、木の生長の様子を見ながら、何度かに分けて慎重に行うようにします。

3.ぶどうの枝の摘芯と支柱への誘引

 5月に入ると、主枝からたくさんの側枝が伸びてきて、上に横に下にと枝が伸びてきました。

 このまま放置してしまうと、栄養分が枝にばっかり、分散されてしまうので、枝の先端部分を切っていく「摘芯」という作業を行いました。

 摘芯を行う位置の目安ですが、枝の根元からの葉数を数えて枝の先端を切るようにします。

 葉数の目安ですが、ぶどうの品種によって異なり、樹勢が強い品種ほど枝元からの葉数は少なめにします。

 樹勢の弱いデラウェアは20葉くらい、シャインマスカットは10~12葉くらい、樹勢の強い巨峰は7~8葉を残して、先端を摘芯します。

 木の枝が上に伸びているので、枝が折れない程度に手を使って下げて、切ってしまいます。

 もう1つ、春の栄養成長期に行う作業に枝の支柱への誘引作業があります。

 これは、ぶどうの枝が上へ上へ伸びてしまうと、葉が重なり合ってしまい、下の方の葉にほとんど太陽が当たらないため、たくさんの葉が日光に当たるように、たくさんのぶどうの枝が重ならないように、他の枝や葉が混み合ってない支柱へ誘引していきます。

 支柱への誘引には麻ひもを使いました。

 枝を誘引する時には、折れてしまわないように、ゆっくりと支柱へ誘引するのがコツです(^^;

4.ぶどうの花穂整形(かいすいせいけい)

 巨峰のような大粒系の品種の花房は大きくなっていくので、成長の良くない花穂や途中で別れ出た副穂を取り除くことによって、1つのぶどうの房の形が良くなります。

 この余分な花穂を切り除いていく作業を「花穂整形(かすいせいけい)」と言います。

 我が家のぶどうを見ると次のような部分が副穂になります。

 ウイルスの侵入を防ぐために、園芸バサミを綺麗に洗ってから副穂を切り除いていきました。

 また、この花穂整形を行う時期くらいに、余分なつるもカットしておきます。

 これは、どんどん伸びるつるからウイルス病が入る原因にもなるので、つるが伸びてきているのを見つけたら、ハサミでカットしていきます。

5.袋かけと追肥のタイミング

 6月の下旬ころになると、ぶどうの木の棚にたくさんの房が実ってきました。

 このままの状態で放置しておくと、大きくなったぶどうの実が、暑い夏の陽ざしに当たりすぎると実の表面が日焼けしてしまい、果実の色と品質が落ちてしまいます。

 また、実が大きくなってくると飛んでくる鳥に実を食べつくされてしまうこともあります。

 そこで、日焼け防止と鳥の食害防止のために、ぶどうの房に袋をかける作業を行います。

 袋は園芸店で売っている市販のもので、巨峰の場合は大サイズを使用します。

 ぶどうの木の育成期間中(3月下旬~10月頃)までは、月1~2回の追肥(有機質肥料)を目安に行います。

 そして、7月に入ると高温の日が続くので、春よりも余分に追肥を行う必要があります。

 よって、7月からは、月に2回、30gのボカシ肥料を株の周りに広くまいておきました。

6.2年越しの巨峰の収穫

 8月に入ると、巨峰の房に付いた果実も大きくなって、収穫サイズまで育ってきました。

 ぶどうの収穫の目安ですが、ぶどうは糖度が、18度以上になった頃が収穫の時期と言われていますが、見た目では糖度は分からないので、色が、巨峰の真紫の色になった頃を収穫の目安にしました。

 今年の初収穫は、8月21日で、そこから今日まで、たくさんの房が採れました(^^♪

 9月の中旬頃になると、巨峰特有のきれいな紫色に着色しない実が残ってきました。

 これは、巨峰の着色を促すアントシアニンという物質が、高温化によって、その働きが阻害されるためです。

 しかし、中の実の味には、影響なく、とっても甘い巨峰が成りました。

 そして、今日で、最後の収穫を終えたので、全ての収穫量を振り返ると、38房・6,628gとなりました。

 糖度のほうも8月に収穫したものは、18%弱くらいでしたが、9月以降に採れた実は全て18%以上の実が採れたので、2年ぶりの巨峰栽培は無事、完了しました。

 家庭菜園のぶどう栽培は、スペースも必要で、栽培管理もたくさんの作業がありますが、美味しい実を付けたぶどうの房が採れた時の喜びは、他の野菜・果物と比べ物にならないくらい感動しますので、是非、チャレンジしてほしいです。

 おススメ品種は、やっぱり病害虫に強い「巨峰」かな(^^♪

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