いちごの栽培記録(2020年~2021年)

いちごの育て方

 昨年の11月に苗の植え付けを行ったいちごの栽培ですが、5月いっぱいで全ての実の収穫を終えたので、約7ヶ月間の栽培記録を残しておきます。いちご栽培は、色々と手間がかかりますが、赤い実を収穫できた時の喜びは格別ですので、家庭菜園で初めていちご栽培に挑戦する方のお役に立てれば幸いです。 

1 土づくり

 苗の植え付けの前に土づくりを行います。いちごの適正な土壌酸度はpH6.0~6.5なので、苦土石灰と有機入りの肥料と堆肥を混ぜます。

 まず、苦土石灰は植え付けの2週間前に、肥料と堆肥は植え付けの1週間前に土に混ぜます。植え付けを11月初めに行いましたので、土づくりは10月中旬から行いました。

 新しい培養土を使用する場合には、あらかじめ肥料が混合さえていれば必要ありませんが、苦土石灰は必ず混ぜるようにします。それは、雨が降って酸性雨が土壌に染みこんでいくと酸化が早まるので、それを防止するためです。

 有機入り肥料は果樹専用を使用し、堆肥は野菜教室でもらった堆肥を使用しました。実をたくさん成らせたいのであれば、ボカシ肥料が良いらしいです。(この時は、ボカシ肥料が実を成らすのに良いことを知らなかったので、普通の堆肥を使用しました。)

2 苗の植え付けとネット張り

 11月に入ったらすぐに苗の植え付けを行いました。苗は、近所のスーパーの中に入っている園芸店の苗を使用しました。ここの苗は、地元の畑で作られているので、私の家の気候や生育環境が同じなので、もし、いちごの苗を購入するときは、なるべく自分の住んでいる環境と同じようなところで作られた苗を購入するのがオススメです。

 苗の植え付けは、株間45cmをとって植え付けしました。株間は30~40cmでも良いのですが、いちごの次期の苗作りのもとになるランナーは、とても長くのびて隣の株に侵入してしまうので、念のため45cmの間隔で植え付けしました。

 次に12月に入った頃にネットを張りました。ネット張りの目的は雪害防止と霜害防止のためです。どちらも、冬になったら発生する可能性があり、雪や霜にかかってしまうと苗が痛んでしまうので、それを防止するためです。ネットは、アーチ型の支柱をたててその上からネットを被せるだけで完了です。

3 追肥と冬の間の管理

 追肥は、苗の植え付け後、1ヶ月経った12月くらいに化成肥料を50g/㎡の量を株の周りにまきました。それからの追肥は、3週間に1回のペースで株の周りに果実用肥料30g/㎡の量を株の周りにまきました。いちごには、一季なりいちご(1年間で1つの次期しか栽培できないいちごで育てるのが難しい)と四季なりいちご(1年間で何度か栽培できるいちごで育てるのが易しい)があり、四季なりいちごのほうが頻繁に追肥をしないといけないので、一季なりいちごの場合は、追肥は1ヶ月に1回くらいのペースで良いかもしれません。

 冬の間の管理で必要なのは、生えてきたランナーを摘み取ることと、脇芽をとることです。どちらも、そのまま生やしてしまうと栄養分を取られてしまい、花や実のほうに栄養分が回らないので、出てきたらその都度、摘み取るようにしていました。

4 マルチ張りとわら敷き

 2月に入ったら、マルチを張りました。マルチを張る目的は、春になりいちごの実がなったときに垂れ下がって土につくと実が汚れてしまい、病気の発生の原因にもなるので、それを防止するためです。  

 春になると葉や茎がどんどん大きくなり、マルチの穴を通らなくなるので、まだ、株が小さい冬の時期に行いました。

 わら敷きは、5月に入ったら行いました。マルチを張っていれば、わら敷きは行う必要はないかもしれませんが、雨の日が多く、マルチに雨の跳ね上がりの泥が付着してきて汚れてきたので、念のためにわらも敷いておきました。結果的に梅雨入りが例年に比べて早かったので、マルチ+わら敷きのダブル対策は良かったと思います。

5 いちごの人工授粉

 3月に入ったら、少しずつ花が咲き始めました。いちごの花はとても綺麗ですが、この花の中に雄しべと雌しべがあり、授粉させてやらないと実がなりません。みつばちが飛んでくるような環境であれば、授粉は蜂任せで良いのですが、私のミニ畑には、蜂が全く飛んでこないので、人工で授粉させてあげる必要があります。授粉には、綿棒を使いました。耳かきの梵天でしたこともありましたが、綿棒のほうが人工授粉した後、綿棒の先に黄色いおしべが付着していたので、綿棒のほうが授粉には適しているように感じました。

6 いちごの葉かき

 4月になって暖かくなってくるといちごの成長のスピードがぐんと上がりました。それと同時に葉もたくさん茂ってくるようになってきました。葉かき(余分な葉を切ってしまうこと)を行う理由は、わき芽取りと同じように余分な栄養を持って行かれないようにすることと、葉に寄ってくるアブラムシやナメクジの害虫を少なくするためです。

 上の写真が葉かきを行った前と後の写真です。葉かきには、綺麗に洗った園芸ハサミを使って、根元から切るようにします。汚れたハサミだと病気の原因にもなるので気をつけます。

7 収獲と雨の日の対策

 5月に入ったら、花がたくさん開花してきたので、その都度、人工授粉を行いました。いちごの花粉の出やすい時間は午前10時~12時ですが、平日は仕事でできないため、なるべく休みの日はこの時間帯にこまめに人工授粉を行っていました。

 そして、待ちに待った初収穫は5月24日でした。苗の植え付けから収獲まで約7ヶ月の道のりなので、とても嬉しかったです。

 5月24日~30日までの間に全て収獲し、収獲量は16個でした。

 今年は梅雨入りが早く、5月に入ったら、雨の日が多かったです。雨に濡れてしまうとせっかく実ったいちごの実が腐りやすくなるので、雨予報の日は、傘を立てて雨を防いでいました。でも、傘だけだとどうしても、下からの泥の跳ね上がりを防ぐことができなかったので、半分くらいを腐らせてしまいました。梅雨入りがもう少し遅くて雨の日が少なかったら、もう少し収獲量が増えたように思います。

 来年は、株数を増やしてプランター栽培もしようと思います。プランターだと移動させれば、雨にさらせれることもないので、腐る実も少ないのではと思います。

8 収穫が終わった後の苗づくり

 いちごは、収獲が終わった後の株で、来期に向けての苗をつくることが可能です。まず、畝に敷いていたマルチとわらを片付けて、株の周りを綺麗にします。

 この元の株を親株と呼び、親株から伸びてくるランナーを使って、子株をどんどん増やして行きます。まず、ランナーから芽が出てきたらプランターに土を入れて、U字のピンなどでランナーを固定します。

 このプランターの子株から、また、ランナーが出てきて、第2の子株を作っていきます。一般的に最初の子株は親株から伝染病などを引き継ぎやすいので、来年の株に使用するのは第2子株からになります。

 第1子株をプランターに止めてから、3~4日でランナーが出てきました。奥の親株からも他のランナーが伸びてきているので、同じように子株を作っていきます。

 

 さて、これが、2020年~2021年のいちごの栽培記録です。いちごは手間のかかる割に収獲量に差が出やすいので、なかなか始めるのに二の足を踏む方もおられますが、プランター栽培でも育てることがきるのと、実を収獲した時の喜びは他の果物や野菜にはないものがありますので、是非、挑戦してみて欲しいです。

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